• 中島未来

金縛りの夜から始まった恐怖

更新日:5月2日

私が今までに体験した中で、最も恐ろしく、最も衝撃的で、今でも鮮明に思い出せることを、覚えているこの機会に書き留めておこうと思います。

皆さんは「霊に取り憑かれる」ということを聞いたことがあると思いますが、実際信じられますか?

私は「自分には関係ない話」だと思っていたし、取り憑かれるとどんな状態になるかなども想像もつきませんでした。

霊感があると感じたこともほとんどなく、極端に恐ろしい経験もなく、20代の終わりまで来ていました。

そんな私に、一度に様々な恐ろしい出来事が降りかかったのは、日本から遥か海を隔てた、オーストラリアで、でした。

恐怖のスタートとなった場所は、友人の家でした。

当時、私は仲の良い友人の家に、頻繁に泊まりに行っていました。初めの頃は何も問題無く、楽しく過ごしていました。

ある日のこと、いつものように遊びに行き、夜も遅くなったので泊まっていくことにしました。友人は友達と2人で、オーストラリアの東海岸らしい「高床式」の一軒家をシェアして住んでいました。1階はガレージ兼物置、2階は玄関を入るとすぐキッチン、隣は大きめのリビングダイニング、広さは20畳ほどだったでしょうか。

リビングダイニングと窓に面した廊下、キッチンがコの字型に2つのベッドルームを囲んでいる、少々不思議な作りになっていました。私の友人の部屋は、窓に面している壁が無く、ドアを閉めてしまうと真っ暗になります。暗闇が苦手な私ですが、当時は友人も一緒だったので、特に気にはなりませんでした。

その晩、フッと夜中に目が覚めました。電車自体が少ないオーストラリアで、友人は珍しく電車の駅と線路に近いところに住んでいました。近いと言っても、家から駅まで距離にして200メートルはあったと思います。昼間は電車の音などはほとんど聞こえない距離。

目覚めた時、近くに時計がなかったので正確な時間が分からなかったのですが、微かに電車が線路を鳴らす音が聞こえました。家の外からは虫の声も聴こえていました。夜に電車の音が微かに聞こえたのは、周りが静かだったからでしょう。

「電車が走る音がするから、午前0時は過ぎていないのかな・・・」なんてボンヤリと思っていた時です。

さっきまで耳に入って来ていた音という音が一切しなくなり、自分の周りが完璧にシンと静まりかえりました。「あれ?凄く静かになった。何も聞こえない・・・」と思ったその瞬間!

ガチッ!と身体中に大きな力が加わったような、空間ごと押さえつけられているような感じで、身体がガチガチに身動きが取れなくなりました。

これには本当にびっくりして動揺して、同時に物凄い恐怖が一気にドッと押し寄せて来ました。私はそれまで、一度も金縛りにかかった経験がなく、今後一生かかることもないと思っていました。「これって、怖い本に出てくる『金縛り』っていうやつなんじゃないの!?」と思うと、もう怖くて怖くて、その状況から逃れたくて、動かない身体とは正反対に脳は物凄いスピードで逃れる方法を考えていました。

「確か、目を開けちゃいけないって誰かが言ってた」「解けない時はどうしたらいいんだろう?考えて、考えて!」そして、ほんの一瞬だけふっと金縛りが解けたような感じがしたのですが、それは瞬間的なことで、また今度はさっきよりも身体が硬く固まるような金縛りにかかってしまいました。

恐怖感はもうマックスです。「怖い、怖い、怖い!助けて!助けて!」その時、動けないのであれば、声を出そうと思いました。

初めは声を奪われてしまったかのように、呻き声を上げることさえ出来ませんでした。それでも、全身の力を振り絞って喉に力を入れて声をお腹の中から絞り出そうと懸命でした。うーーーーーーーーーっ!とお腹と喉に力を入れていたら、しばらくしてふと喉が緩んだ感じがして、小さな声だった呻きがやっと「うーーーーーーーーーわーーーーーーーーーっ!!!!!!」と大きな声に解き放たれ、同時に金縛りが解け、隣で寝ていた友人が、私の声に驚き飛び上がりました。

「どうしたの?夢でも見たの?」と聞く友人に、もう怖くてここには居たくない。帰りたい。帰らせて。車を運転するのが大変だったら、タクシーで帰る!と泣きながら懇願したのですが、夜も遅いし、きっと夢を見たんだろうから、朝になるまで待って。朝になったらすぐ送るからと説得され、納得出来ないまま、友人の隣でベッドの中で身体をカチカチに強張らせ、警